ブロック塀診断士から見た危険なブロック塀を見分けるポイントと問題点など。

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こんにちは。

ブロック塀診断士のきつね(@ktn_ktn_3)です。

2018年6月の大阪北部地震で高槻市立寿栄小学校のブロック塀が倒壊し、小学生の女児が下敷きになり死亡するという事故が発生してしまいました。

また、その倒壊事故をうけてのブロック塀解体(切断)作業中に作業員の方が下敷きになり死亡という事故も発生してしまいました。

この他にも過去のブロック塀倒壊事故事例はたくさんあります。

それらの事例の共通点は現在の建築基準法に適合していない、または劣化の激しい危険なブロック塀ということです。

この問題は他人事ではありません。

日本が地震大国であることは言うまでもありませんが、危険なブロック塀がありふれてしまっているという現実があります。

群馬県前橋市を例に見てみると、2018年7月に行った調査で緊急を要する危険なブロック塀の修繕費用は7億7000万円にまでのぼるという試算が出ています。

1つの市に焦点を当てただけで、こんなに危険なブロック塀があるということです。

全国規模で考えると恐ろしい量があるでしょう。

今回の記事はそんな悲惨な事故を少しでも減らすため、ブロック塀診断士という立場から危険なブロック塀を見分けるポイントについて書きたいと思います。

それでは本題へ。

まず、ブロック塀診断士とは?

ブロック塀診断士とは、公益社団法人日本エクステリア建設業協会が定めた資格です。

区分は土木施工管理技士のような国家資格ではなく、民間資格となります。

ブロック塀診断士制度規定に「ブロック塀等の危険個所の改善のための指導を行い、地震・台風におけるブロック塀等の災害を防止することを目的とする。」とうたわれています。

人身・物損事故はもちろんのこと、倒壊して道路を塞ぎライフライン・救援物資を運ぶルートを遮断してしまうことなども災害になります。

それらを防止するため、平成10年4月できた比較的新しい資格です。

歴史は浅いですが、これからの社会に必ず必要とされてくる資格です。

主な業務内容

ブロック塀の簡易診断、または精密診断、それらの診断書の作成が主な業務です。

簡易診断とは?

外観検査が主な調査となります。

他には、塀の形態や構造、履歴について調査します。

精密診断とは?

特別な機器が必要な鉄筋探査を含む精密診断です。

危険度判定指数の計算からブロック塀の判断基準を算出します。

米判断基準例・・・不要、簡易補強、補強、要撤去、撤去など

受講資格

・1級2級建築士

・1級2級建築施工管理技士

・1級2級土木施工管理技士

・1級2級造園施工管理技士

・1級2級タイル・左官・ブロックの技能士

・建築コンクリートブロック工事士

・1級2級エクステリアプランナー

上記のいずれかの有資格者であることが受講資格です。

すでに建設業に携わっている人のスキルアップ・キャリアアップといった位置付けの資格でしょう。

逆に言うと、知識・経験のない人には受講すらできないということです。

目次

危険なブロック塀の判断ポイントと問題点

●危険なブロック塀の判断ポイント

・ヒビ、割れ、鉄筋の露出

・傾き、沈下

・基礎が露出、薄い

・ジョイントのモルタルが落下

・1.2m以上のブロック塀で控え柱がない

緊急性のある危険なブロック塀は、ほとんどの場合目視で判断できます。

正直、業者でなくても判断できる部分もあります。

1度、自宅や地域で気になる場所を確認してみて下さい。

意外と身近に危険なブロック塀ってありますよ。

自宅等のブロック塀で危険が確認されてしまったら、次の段階でブロック塀診断士に診断を依頼しましょう。

ただ、どこの業者がブロック塀診断をやっているかは分からないと思います。

僕も自分と仲間以外の診断士に出会ったことがありません。

現時点では、インターネット上で探すしかないでしょう。

この時点で問題となってしまうのが予算です。

ブロック塀の診断費や修繕費は不測の出費です。

危険と分かったが、予算が無いため放置してしまうパターンが考えられるでしょう。

しかし、倒壊し事故を起こしてしまってからでは手遅れです。

すぐにとは言いませんが、なるべく早く予算を取って修繕して下さい。

危険なブロック積みと判断された時の対処・応急処置

ブロック塀の診断が完了し、危険と判断された場合の対処・応急処置についてお話しします。

まずは、診断してくれた方(業者)に相談しましょう。

ブロック塀診断士の資格を持っている人は、協力業者でブロック屋がいる、または、自分自身でブロックが積めることがほとんどです。

ブロック塀診断士だけが仕事という人はまずいません。

需要を考えると、生計を立てていくのは難しいでしょう。

なので、診断士の他に建築屋、土木屋、外構屋などの本業があるはずです。

その本業にプラスしてブロック塀だけに焦点を当てた資格を取るということは、知識と実力とプロ意識を持ち合わせていると僕は考えています。

受講資格が建設系の有資格者に限定されているというのも理由ですが。

知識のない近所・知り合いの業者に頼むと、施工のしやすさを重視され、手抜きをされてしまう可能性が出てきます。

※1番多いのは、縦鉄筋の継ぎ足しです。継ぎ足した方が断然施工がしやすいことがこの施工不良が発生する原因です。

●実際の施工方法・修繕方法

補強ができないレベルの危険と判断されたら、撤去し積み直すのが1番の修繕方法です。

または、ブロック塀から擁壁に変えてしまう等の構造変更も有りです。

どうしても積み直し・構造変更が予算的に難しければ、撤去だけでも検討してみて下さい。

*高低差・隣地状況によって撤去だけというのが難しい場合もあります。

僕自身も撤去のみの依頼を頂き、実際に施工させてもらった実績があります。

1番大事なことは、危険を放置しないということです。

まとめ

今回の記事で伝えたかったことをまとめます。

●ブロック塀診断士という資格の存在と概要について。

●危険なブロック塀の問題は、他人事ではない。

●緊急性のある危険なブロック塀は、ほとんど目視で確認できる。

●危険とわかったら、放置せず業者に相談すること。

●事故を起こしてからでは、手遅れになってしまう。

これらを意識してブロック塀による悲惨な事故を少しでも減らしていきましょう!

一人ひとりの意識・行動が大切です!

僕の携わっている建設業についての記事もこれから書いていこうと思っています。

今回はこの辺で終わります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた次の記事でお会いしましょう!

ではでは。

 

 

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この記事を書いた人

きつね。

30歳。

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